楽天証券での米国ETFの売買ランキングで出てくる金融セレクト・セクター SPDR ファンド<XLF>を使って、割安と言われる金融セクターへの投資について考えてみます。
2020年6月上旬ごろ、米経済の持ち直しを見込む投資家が、割安な米銀行株の買いを活発化させていましたが、その結果はどうだったか。
XLFのETFを使って一目均衡表を描いてみました。以下のグラフをご覧ください。青色の点線が、終値のグラフです。株価はその後も特に上昇をしていないことが分かります。
イールドカーブ(金利のカーブ)の形状が銀行の収益には重要な影響を与えますが、低金利で金利がフラット化している状況は銀行経営には厳しい状況です。
先日、Financial Timesが10年先10年の米国債の金利水準をグラフを紹介していました。10年先10年とは、10年先から始まるその後の10年間の金利の水準について取引されている水準です。以下をご参照ください。
債券市場は長期金利が長期にわたって上昇しないと考えているように見えます。また、銀行の与信コスト(クレジット損失)についても今後数字が明確になってくる部分もあります。
銀行セクターはPBRも低く、年初来でも出遅れ感が大きいセクターです。このため、バリュー株が好まれる地合いになった場合に選好される可能性と大幅な上昇余地がありますが、イールドカーブの形状や与信コストの不確実性を勘案して、当面はポートフォリオへの組み込みは限定にしたほうが良いと考えられます。
また、テクニカルの観点では、上記の一目均衡表において転換線(赤色)が基準線(青色)に上から近づいてきており、今後短期的にも下落基調となる可能性があります。
ご参考になれば幸いです。