2019年末に2500円を超えていたWTI原油ETFは、2020年5月22日の終値は708円。これまでに大きく下落。
2020年2月中旬以降、新型コロナウイルス感染拡大から世界的な原油需要の減少に加えて、2020年3月6日に開催されたOPECと非OPEC産油国の会合(OPECプラス)において、産油国が協調減産の拡大で合意できなかったことを発端に、原油価格がさらに急落。
サウジアラビアとロシアの喧嘩にアメリカが仲裁に入るなど、色々とすったもんだを経て、OPECプラスは2020年4月12日に、5-6月に日量970万バレルの減産を行うことで最終合意。
減産合意では、2020年5月1日に協調減産に踏み切ることになっていたが、サウジアラムコ(サウジアラビアの国営石油会社)は4月25日終了週から前倒しをして削減を開始。
これまでに、この歴史的な減産合意およびその順守状況に原油市場は好意的に徐々に反応。
主要産油国の減産が続き、供給面の改善は進んでいることから、足元では4週連続で原油価格が上昇。
ただ、2020年5月22日は、WTI原油は反落。中国が今年の経済成長について数値目標の設定を見送り、需要回復への不安が広がった。
一方で、「経済活動が徐々に再開すれば、(価格が)じわじわ上がる傾向は続くのではないか」という、石油元売り会社でつくる石油連盟の杉森会長の見通しも。
供給サイドは絞れてきているので、需要動向次第で、WTI原油価格の上昇ならびにそれに連動するWTI原油ETFの価格上昇の可能性があるかもしれないですね。