気になる新型コロナウイルスのワクチン開発状況 (2020.06.13)

6月 13, 2020 気になる
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足元、新型コロナウイルス感染第2波の兆候が増えていることで市場心理を圧迫しているが、感染第2波を抑え込む上で重要となる新型コロナウイルスのワクチン開発状況をまとめた。

新型コロナウイルスのワクチンが確立された場合、先行き不透明感は大幅に低減し、その後株価の急上昇の可能性がある。

ワクチン最有力候補の一つがバイオ医薬大手の米モデルナのものである。
モデルナのワクチン候補薬は、mRNA(核酸)ワクチンと呼ばれる種類のもので、活性化もしくは非活性化さらたウイルス自体を実際に使うのではなく、健康な細胞にコロナウイルスの抗体をどのように作るか指示を与えるという技術を使ったワクチンである。

獣医学ではmRNAは使われているが、人間への投薬はまだ承認されたことがないものである。ただ、mRNAはその開発スピード(一般的にmRNAでは新しいウイルス型の確定、ゲノム配列の確認ができれば、ワクチン設計は比較的容易と言われる。)や、早期治験の患者への理論上の健康リスクは抑制されることから、他の早期のワクチン候補でも使われている。

モデルナは6月12日、マウスを作った新型コロナウイルスワクチンの実験で、症状が重篤化するリスクが抑えられたほか、1回の投与で新型コロナへの感染防止効果が得られたと発表。今回の研究では、生後6週間のマウスに保護免疫反応を誘発するのに十分ではないと考えられる用量も含め、ワクチンを1回または2回投与し、その後マウスをウイルスにさらすことで実施した。

コロナ感染症(COVID-19)の原因となる新型コロナウイルスの近縁種であるSARSウイルス向けワクチンに関するこれまでの研究では、同ワクチンを接種した人が後に病原体にさらされた場合、十分な免疫反応が得られないと一層重篤な症状を引き起こす恐れがあり、こうしたリスクの克服が健康な人を対象とした大規模臨床試験に進むために重要とみられている。

モデルナは6月11日、7月にアメリカ国立アレルギー・感染症研究所の協力を得て、3万人を対象としたコロナワクチンの治験を開始すると発表。治験は最終段階に向かう。これにより、モデルナは米国で最初のコロナワクチン候補の大規模臨床試験を行う企業に。

ワクチン候補の開発はものすごいスピードで進んでいる。他の企業では、ジョンソンエンドジョンソンは、7月後半にもワクチンの治験を始める予定。また、アストラゼネカとその研究開発のパートナーであるオックスフォード大学は、6月にも最終ステージの治験を開始する予定。

投稿者: CFA

米国証券アナリスト、日本証券アナリスト検定会員。また、経営学修士号(MBA)保持者ならびにベータ・ガンマ・シグマ所属。 仕事でも色々なことを考えるので、投資にあたって面白いと思った情報を継続的にご紹介します。皆様のご投資の参考になればと思い、Finepresa(フィネプレサ)を立ち上げました。 よろしくお願い致します。