気になる2020年5月の家計調査(日本)

7月 7, 2020 気になる
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2020年7月7日、2020年5月の家計調査が総務省統計局より発表された。結果は以下の通り。

勤労者世帯の実収入が前年同月比で実質9.8%増加したものの、消費支出は実質で16.2%の減少。特別定額給付金で国民一人当たり10万円が一部で支払われ、実収入の増加に貢献したものの、それらが消費には向かっておらず、消費支出が減っていることが確認された。

ただ、追加参考図表である週別消費支出も興味深い。以下の図を見ると、5月下旬に向かって対前年同期実質増減率の推移が急激に回復している様子が見える。

ロイター社の記事を見ると、「一方、これまで見てきたように、消費マインドの回復テンポが鈍く、日本経済全体の回復スピードも、従来の予想より緩慢になる可能性がある。」としているが、5月最終週は前年同期比で-1.7%程度まで回復している。給付金の支払のタイミング(5月末でまだ受給されていない方々)等を考えると、2020年6月の家計調査結果は意外に良いかもしれない。

日本の個人消費(対GDP比)は、2020年3月に54.7 %であったので、日本のGDPの約6割を占める個人消費がどのように推移していくか、また実体経済に回復が見られる場合、株は先行指標なので、回復プロセスを先取りすることが想定される。

足元、新型コロナウイルスの感染再拡大や第2波への懸念があるが、ワクチンが開発されるなどの契機を経て、金融緩和&財政出動の組み合わせによるフルアクセルでの日本経済の急回復という流れが想定される。

米ISM非製造業景況感指数が過去最大の改善幅や、7月6日の中国・上海総合指数の5.7%高の急伸などから、7月6日は概ねリスクオンのムードであったが、先行き不透明感からの短期的な調整局面で、選好する銘柄へしっかりと投資をしておきたい局面といえる。

投稿者: CFA

米国証券アナリスト、日本証券アナリスト検定会員。また、経営学修士号(MBA)保持者ならびにベータ・ガンマ・シグマ所属。 仕事でも色々なことを考えるので、投資にあたって面白いと思った情報を継続的にご紹介します。皆様のご投資の参考になればと思い、Finepresa(フィネプレサ)を立ち上げました。 よろしくお願い致します。