ご存知の通り、金価格が高騰している。NY金先物相場は1オンス=1,800ドルの節目を突破し、2011年9月以来となる約8年10か月ぶりの高値を更新。過去最高値1,923.70ドルまであと少し。
純金上場ETF<1540>の価格と、S&P 米国債7-10年指数のETF<1487>の価格を並べて描いてみた。以下のグラフをご参照いただきたい。興味深い結果ではないだろうか。価格の値動きの方向が米国債(為替ヘッジあり)とほぼ同様である。
これまで、株式投資をする際に、株式市場全般のリスク(ベータ)について、ある程度リスクヘッジをしておくことが重要であると考えられ、機関投資家は伝統的には株式投資に債券投資を組み合わせることで、アセットアロケーションを行ってきた。
日本人の投資家(円の投資家)にとって、米国債へのアロケーションの代わりに純金上場ETF<1540>を使うというアイディアはいかがだろうか。
このアイディアが面白いのは、これまでの債券への投資に比べて、、金ETFのボラティリティが高いので、少ない量で同じだけのヘッジ効果を得られる可能性がある。上の例では、米国債7-10年指数ETFが17,000円強から20,000円弱まで上昇している間に、純金上場ETFは4,000円強から6,000円強まで上昇している。
変化幅で比べると、純金上場ETFは米国債7-10年指数ETFとほぼ同様に動きつつ、約2.8倍の値動きであった。つまり、同じヘッジをするのであれば、ヘッジのための資金量を約65%減らせることになる。
加えて、米国10年金利は大幅に低下してしまい、マイナス金利を導入しない限り、金利低下余地が限られている状況であるため、金ETFでのヘッジはより効果的な可能性がある。
金ETFを活用し、ヘッジ効率を高めることで、調整局面でより一層株式へ投資を行うことが可能となるかもしれない。
ポートフォリオ運用のお役に立てば幸いである。