気になるインテルの四半期決算(2020-2Q)

7月 24, 2020 気になる
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インテルが米国時間2020年7月23日第2四半期(2020年4~6月期)の決算を発表しました。

<2020-2Q>
売上高:$19.7Bn vs. アナリスト予想 $18.6Bn
EPS: $1.23 vs. アナリスト予想 $1.11

売上高、EPSともにアナリスト予想を上回りました。
売上高の内訳は、データセンター向けが$10.2Bnで、クライアントPC向けが$9.5Bnでした。

前年同期比で、クラウドサービス事業者向け(DCG)の売上高は+43%、パソコン向け(CCG)の売上高が+7%でした。CCGはアナリスト予想の最も高いものを上回り、DCGもアナリスト予想を上回りました。クラウドサービス事業者向けセグメントは売上高/成長率共に大きく、インテルにとって成長のエンジンになっているといえます。

<セグメントの説明>
DCG — 企業や政府といったクラウドサービス提供業者向けや、通信業者向けのセグメント
IOTG — IoT関連の組み込み系のセグメント
Mobileye — コンピュータービジョンや機械学習ベースのセンサー、データ分析、自動運転のセグメント
NSG — メモリーやストレージのセグメント
PSG — FPGA(ハードウェア言語により論理回路を書き換えることが出来る機器)やASIC(ユーザーに合わせてカスタマイズされた集積回路のIC)のセグメント
CCG — クライアントコンピューター(エンドユーザー)向けのパソコンのセグメント

<2020-3Q予想>
売上高: $18Bn (-6% 対前年同期比)
EPS: $1.24 (-11% 対前年同期比)

<通期予想>
前回の四半期決算では通年予想をしないことにしましたが、今回は会社の通年予想を発表しました。

売上高: 会社予想 $75Bn vs. アナリスト予想 $73.9Bn
EPS: 会社予想 $4.85 vs. アナリスト予想 $4.81

<その他>
今回、インテルは回路線幅7ナノメートルの半導体技術の開発が予定より6カ月遅れていると明らかにしました。また、自社一貫生産に強みを持っているインテルですが、外部への生産委託拡大を検討する方針を示しました。

クラウドサービスへのシフトや世界的な5G本格導入などから、中長期的には非常に興味深い銘柄ですが、3Qの売上予想は若干弱気です。

足元、予想PER、PBRともに若干割高ですが、7ナノメートルの半導体技術の開発の遅延や3Qの見通しなどから調整する局面では、中長期的な投資家にとって投資妙味が出てくる可能性が高いです。

投稿者: CFA

米国証券アナリスト、日本証券アナリスト検定会員。また、経営学修士号(MBA)保持者ならびにベータ・ガンマ・シグマ所属。 仕事でも色々なことを考えるので、投資にあたって面白いと思った情報を継続的にご紹介します。皆様のご投資の参考になればと思い、Finepresa(フィネプレサ)を立ち上げました。 よろしくお願い致します。