気になるSPDRゴールド・シェアETF(金への投資)

8月 11, 2020 気になる
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iDeCoで金に投資できる投資対象として「ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)」があります。これは、「SPDRゴールド・シェア」への投資を行うと共に、その投資金額相当額の米ドルについて原則として為替ヘッジを行うことにより、円ヘッジベースの動向を反映する投資成果の獲得を目指すものです。

ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)と、今回ご紹介するSPDRゴールド・シェアETF<1326>の違いは、前者は為替ヘッジあり(円ヘッジ)ですが、後者は為替ヘッジなし(米ドル建て)です。

今回は、東証で1326という証券コードで取引できる為替ヘッジがない「SPDRゴールド・シェア」ETFのチャートを描いてみました。

先日のご説明でもご紹介したとおり、一般的に一目均衡表では以下の3つの条件を満たした時を「三役好転」といい、強い「買いポイント」として捉えられます。

①転換線(赤色)が基準線(青色)の下から上へ抜けた状態で、
②雲の上でローソク足が推移している、
③遅行線(赤色の点線)が株価を抜く

現在のグラフを参照いただくと、①、②、③を満たしており、「SPDRゴールド・シェア」ETFは引き続き買いと読めます。

下図の通り、実質金利(名目金利 ― インフレ率:青色)が低下すると、金の価格(赤色)は上昇する傾向があります。

このため、米国の投資銀行大手のゴールドマン・サックスは2020年7月28日に、金価格の12カ月見通しを1トロイオンス=2300ドルに引き上げています。

なお、上記のグラフで描いているのは「SPDRゴールド・シェア」の円換算価格ですが、ゴールドマンサックスの予想との比較という意味では、金の現物価格は2020年8月10日現在、1トロイオンス=2029.08ドルとなっています。従いまして、今後12か月間の上昇余地はまだあるというのがゴールドマン・サックスの予想になります。

実質金利が今後どのようになっていくかについては、名目金利(債券の金利)とインフレ率の変数を予測することになります。

2020年2月以降の新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う3月からのロックダウンが与えた経済活動へのダメージを考えると、当面金融政策は緩和的であり、名目金利は低金利が続くと想定されます。さらに、世界的に政府は財政出動を積極的にしており、インフレという話が中長期的には出てくる可能性があり、金価格の上昇というストーリーになります。

ご参考になれば幸いです。

投稿者: CFA

米国証券アナリスト、日本証券アナリスト検定会員。また、経営学修士号(MBA)保持者ならびにベータ・ガンマ・シグマ所属。 仕事でも色々なことを考えるので、投資にあたって面白いと思った情報を継続的にご紹介します。皆様のご投資の参考になればと思い、Finepresa(フィネプレサ)を立ち上げました。 よろしくお願い致します。