<家計消費>
7月の米国小売売上高が8月14日に発表されました。こちらの統計は、米国内で販売されている小売業・サービス業の売上高を集計したもので、米国の個人消費の動向を表していると言えます。
米国は個人消費がGDPの約7割を占めており、他の先進国より高い傾向にあります。この為、個人消費の動向が景気全体に与える影響も大きいため、注目度の高い指標となっています。
なお、全体に占める売上高の割合が最も大きい自動車及び同部品部門は、販売店のセールなど景気と直接の関係がない要因による月ごとのブレが大きいこともあり、自動車を除いた小売売上高でもコア部分の注目度が高くなっています。
7月の結果は、コア部分で予想(前月比)が+1.3%に対し、結果は+1.9%でした。ただ、ニュースでは、小売売上高全体を参照されることが多く、予想が(前月比)+2.1%に対し、結果は+1.2%でした。
<消費者心理>
加えて、8月14日には、米国の8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値も発表されました。7月72.5から低下予想に反して、72.8に上昇しました。新型コロナウイルス感染者の増加が続いている中で、週600ドルの失業給付上乗せが7月末で期限切れとなりましたが、消費者心理はおおむね安定的に推移しているようです。
<企業の生産活動と在庫>
合わせて、同時刻に発表された6月企業在庫は前月比‐1.1%と、予想通り6カ月連続のマイナスとなりました。その少し前に発表された7月 鉱工業生産も、設備稼働率もおおむね予想通りでした。
<まとめ>
以上をまとめると以下の通りです。
①個人消費は引き続きしっかり
②消費者心理も安定的
③生産や設備稼働率もおおむね予想通り
④企業の在庫は着実に減少
⑤財政政策の行方に不透明感も。
財政政策の行方が気になるところですが、米国大統領選挙の年ですので新型コロナウイルス感染再拡大の懸念に対して確りとした景気刺激策がとられると予想されます。
このため、①~⑤を勘案すると、いましばらく米国の株式投資にはおおむね良好な環境といえそうです。
ご参考になれば幸いです。