気になる第2次補正予算(規模)

5月 28, 2020 気になる
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安倍内閣はやはり経済政策に安定的に強い。凄まじい規模の第2次補正予算案を今国会に提出し、6月中旬ごろの成立を目指す。

以下、数字が大きいので、日本の2019年の名目GDPが約554兆円だったということをベースに見ていただければと思います。

また、今回の第2次補正予算において、「事業規模」、「財政支出」、「一般歳出」が難しい言葉。意味は以下の通り。

「一般歳出」:一般会計からの歳出。
「財政支出」:一般歳出+財政投融資
「事業規模」:一般歳出+財政投融資+民間投融資

国の会計は、毎会計年度における国の施策を網羅して通観できるよう、単一の会計(一般会計)で一体として経理することが、財政の健全性を確保する見地からは望ましい。予算単一の原則(単一会計主義)。

しかしながら、国の行政活動が広範になり複雑化してくると、場合によっては、単一の会計では国の各個の事業の状況や資金の運営実績等が不明確となり、その事業や資金の運営に係る適切な経理が難しくなりかねない。このような場合には、一般会計とは別に会計を設け(特別会計)、特定の歳入と特定の歳出を一般会計と区分して経理することにより、特定の事業や資金運用の状況を明確化することが望ましい。

以上の趣旨から、我が国の会計は、「財政法」(昭22法34)の規定において、一般会計の他に、特定の歳入・歳出をもって一般会計とは経理を別にする特別会計が設置。平成30年度においては、経過的なものも含めて、13の特別会計。一般歳出は、この一般会計からの支出を表す。

次に、財政投融資とは、政府系金融機関などの財投機関が、財投債などを通じて金融市場から資金調達をし、政策的な必要性があるものに融資等をすること。政府系金融機関等の独立採算での活動。

最後に、民間投融資は、政府系金融機関などが民間金融機関などと組む企業の資金繰り支援(民間部分)を含む。

2020年5月27日夕方に閣議決定された2020年度第2次補正予算案では、一般歳出が31.9兆円、財政支出が72.7兆円、事業規模は117.1兆円。緊急経済対策から第一次補正予算までで事業規模が117.1兆円であったので、累計で約234兆円と倍増累計の事業規模は、日本のGDP(2019年)対比でなんと約42%。今回の新型コロナウイルス対策として、世界でも類を見ない規模。もちろん、日本政府にとっても過去最大。

麻生太郎財務相は27日の閣議後記者会見で、納税猶予による税収見積もりの減少が見込まれ、「(財政状況が)さらに悪くなることを覚悟しなければならない」と指摘。極めて厳しい日本政府の財政状況を認めた上で、追加対策を「やらなければ結果としてもっと経済が落ち込みかねず、覚悟を決めて財政出動にかじを切った。」と言及。

安倍総理、麻生副総理の強い覚悟が財政政策に。

投稿者: CFA

米国証券アナリスト、日本証券アナリスト検定会員。また、経営学修士号(MBA)保持者ならびにベータ・ガンマ・シグマ所属。 仕事でも色々なことを考えるので、投資にあたって面白いと思った情報を継続的にご紹介します。皆様のご投資の参考になればと思い、Finepresa(フィネプレサ)を立ち上げました。 よろしくお願い致します。