WTI原油先物の価格が大きく下がっています。以下の2つのグラフをご覧ください。
1つ目は、2020年3月31日から9月8日までのWTI原油先物のローソク足チャートです。4月20日に-40ドル(マイナス40ドル)を付け、その後回復し、7月上旬からほぼ横ばいもしくは若干の上昇基調でした。
ただここにきて変調してます。
7月31日以降の期間に着目して、ローソク足チャートを描くと以下の通りです。
足元の原油先物価格の大きな下落を確認できます。
市場ではサウジの国営石油会社サウジアラムコがアジア向けのアラビアンライト原油の公式販売価格を予想以上に引き下げたため、主要市場のアジアで燃料消費が低迷しているのではないかと懸念されています。
背景としてOPECなど産油国の減産や各国政府の刺激策にもかかわらず、原油の供給過剰が解消されておらず、産油国は値下げを余儀なくされています。夏のドライブシーズンでも需要が高まらなかったことも懸念材料です。
一方で、新型コロナウイルスワクチンについて、アメリカの複数のメディアはアメリカCDC(疾病対策センター)が、全米各州の保健当局に対し10月末から11月の初めに供給が始まる前提で準備を進めるよう求めていると伝えています。
今後の原油価格にとって①新型コロナウイルスのワクチン開発状況と②原油在庫量の水準の両方を引き続きフォローしていく必要があります。
テクニカルの観点では、終値は一目均衡表上の「雲」に突入しており、この支持帯を突破して下がってしまうのか非常に気になるところです。この支持帯がしっかり機能すれば、需給から価格の反発につながりますが、この雲を下回ると売りが出てきそうです。
<WTI原油先物の一目均衡表>
ご参考になれば幸いです。