米国時間9月10日に米エネルギー情報局(EIA)が発表した週間統計では、9月4日までの週の原油在庫は約200万バレルの増加でした。一方、市場予想は130万バレル減で、在庫懸念から価格は下落しました。
ハリケーン「ローラ」の影響に伴いメキシコ湾岸の製油所の一部稼働停止を受け、米国の原油在庫が増加したと考えられています。メキシコ湾岸の製油所の稼働が完全に再開されない限り、原油価格は軟調となる可能性があります。
WTI原油先物価格の一目均衡表は以下の通りです。テクニカルの観点では、基準線、転換点共に雲に突入しています。また、遅行線も同様に雲に突入しています。価格の支持帯となっていた雲を、今後価格が上に抜けるか下に抜けるか、トレンド形成の観点から非常に重要です。
新型コロナウイルスのワクチン開発の進捗状況は常に気を付ける必要があります。経済活動の回復スピードが加速する可能性があり、原油価格の強い上昇を伴う可能性があります。
ご参考までですが、バンク・オブ・アメリカ・メリルリンチ証券のアナリストによると、原油需要の変動を考えるときに、カギとなるのは自動車燃料と航空燃料であり、自動車燃料については年末までに需要水準は前年水準を超えると考えられるものの、航空需要は大きく遅れると考えています。仮に新型コロナウイルスのワクチンが2021年後半に承認されたとして、航空需要は2022年に75%まで回復し、2023年には90%の水準まで回復すると考えているようです。時間軸としては非常に長くなっています。
ご参考になれば幸いです。