気になるデジタルトランスフォーメーション(DX)

7月 18, 2020 気になる
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新型コロナウイルスの感染拡大とそれに伴う経済減速は、第4次産業革命へ一気に加速していくのではないかという予想があります。

DXが提唱されたのは2004年でなんと15年前に遡ります。スウェーデン・ウメオ大学のエリック・ストルターマン教授がその概念を提唱しました。「ITの浸透が、人々の生活をあらゆる面でより良い方向に変化させる」ことといわれています。

分かりやすく言い換えると、データを活用し、顧客の行動(例:店舗訪問)や、経験(例:販売員の経験)、もの(例:商品)をデジタルに置き換え、プロセスの変革を実現することと言えます。

DXではデータを収集し、そしてそのデータの中から価値を見出すことが本質的に重要です。

センサー技術やIoTを活用してモノのデータを大量に蓄積します。集められた大量のデータ(ビッグ・データ)を分析し、人工知能の深層学習(ディープラーニング)を適用することで、これまで気づかれていなかった特性やパターンなどを見出し、新たな知恵(インテリジェンス)をビジネスに反映することが可能となるというような流れです。

以下のような技術を活用し、デジタルトランスフォメーション(DX)が進むことで、人々の生活が大きく変わるのではないかという期待です。

  • IoT(モノのインターネット)
  • ビッグデータ
  • AI(人工知能)
  • ロボット

マイクロソフトとIDCがアジア15カ国・地域の1560人のビジネス意思決定者を対象としてDXに関する調査を行ったところ、DXは2021年までに日本のGDPを約11兆円増加させると推測しました。加えて、DXの先行者は、追従者と比較して2倍の恩恵を享受するとしました。

例えば、投資で言うと、オルタナティブデータを活用することで、より高頻度のリーディングインディケーターを見つけることができるようになるかもしれません。ご参考までに、オルタナティブデータについては以前ご紹介しました

暗黙知をデジタルに置き換えていく。」この観点からビジネスのアイディアが出てきそうです。

DX関連銘柄としては、センサー、IoT、ビッグデータ、AI、5G等のテーマがありそうです。ただ、割高感があるので、東証マザーズ指数(新興市場全体)の市場全体の動向を見ながら、投資判断をしていく必要がありそうです

<AI/ビッグデータ関連企業>(2020年7月17日現在)
ALBERT <3906> – 時価総額 271億円、EV/EBITDA倍率 105.33倍、PSR 11.87倍、PBR 8.36倍、PER 110.79倍、ROE 7.10%
デジタルメディアプロフェッショナル <3652> – 時価総額 101億円、EV/EBITDA倍率 43.97倍、PSR 7.78倍、PBR 2.85倍、PER 152.05倍、ROE 2.40%
データセクション <3905> – 時価総額79億円、EV/EBITDA倍率 52.40倍、PSR 6.95倍、PBR 2.84倍、PER –倍、ROE -0.80%
シルバーエッグ・テクノロジー <3961> – 時価総額56億円、EV/EBITDA倍率 30.78倍、PSR 5.72倍、PBR 6.31倍、PER –倍、ROE -2.30%
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以上、ご参考になれば幸いです。

投稿者: CFA

米国証券アナリスト、日本証券アナリスト検定会員。また、経営学修士号(MBA)保持者ならびにベータ・ガンマ・シグマ所属。 仕事でも色々なことを考えるので、投資にあたって面白いと思った情報を継続的にご紹介します。皆様のご投資の参考になればと思い、Finepresa(フィネプレサ)を立ち上げました。 よろしくお願い致します。