投稿者: CFA

米国証券アナリスト、日本証券アナリスト検定会員。また、経営学修士号(MBA)保持者ならびにベータ・ガンマ・シグマ所属。 仕事でも色々なことを考えるので、投資にあたって面白いと思った情報を継続的にご紹介します。皆様のご投資の参考になればと思い、Finepresa(フィネプレサ)を立ち上げました。 よろしくお願い致します。

気になる米国の失業保険申請件数

8+

米労働省が20日発表した15日までの週の新たな失業保険申請件数(季節調整済み)は、前週比13万5千件増の110万6千件と再び100万件を超えました。エコノミストは100万件を切ると予想しており、市場予想より悪い結果でした。

失業保険申請件数とパンデミック失業援助(Pandemic Unemployment Assistance)を合わせて、15日までの週は季節調整前で140万件に到達しました。

一方で、給付を受け続けている失業保険受給者総数は、1480万人で、4月第1週以来最低となりました。

したがって、今回の数字はエコノミストの数字より悪いと単純には言い切れない結果にはなっていますが、当該統計の発表を経てグローバルには株価は若干下落しています。

これは、同日発表されたFOMCの7月の議事録で、米国債のイールドカーブをコントロールするイールドカーブ・コントロールの可能性が遠のいたことに、市場が落胆したことを反映しているともいわれています。

同議事録において、FRBは、労働市場の回復はビジネスの再開に依存し、新型コロナウイルスをいかに封じ込められるかに依存すると考えています。

足元の調整局面で気になる株式をしっかりと拾っていきたいところです。

気になるターゲットの四半期決算 (2020.2Q)

8+

米国時間の2020年8月19日にターゲット<TGT>が第2四半期決算を発表しました。
結果は、目が飛び出るぐらい良い四半期決算でした。
概略は以下の通りです。

  • EPS: $3.38 vs. アナリスト予想 $1.62
  • 売上高: $23Bn vs. アナリスト予想 $20.09Bn
  • 売上高成長率: 24.3% vs. アナリスト予想 7.6%

EPSをはじめとして、すごい結果が出てきました。

CEOのブライアン・コーネルによると、店舗とオンラインの両方のオプションを持っていたことが、ロックダウンに伴い他の競合他社が店舗を閉店しなくてはいけない間に、代替手段となったと考えているようです。

以下のスローガンがターゲットなだけに的を得ている気がします。

“Striving to Be America’s Safest Place to Shop”

新型コロナウイルス感染再拡大の懸念に基づき、新状態が続くのであれば、このEPSなどを引き続き期待できるという見方もあるかもしれません。

気になる一目均衡表から見る本日のマーケット (2020.08.18)

8+

日本(2020年8月18日終値)

日経平均と東証マザーズ連動ETF<2516>の一目均衡表は以下の通りです。

本日、東証マザーズ連動ETFは_3.40%と力強く上昇しました。

日経平均株価終値は-0.20%と若干下落したものの、一目均衡表では引き続き上昇傾向にあるように見えます。これは、確りとした雲が本日終値の下に形成されており、抵抗帯として機能する可能性が高いうえ、転換線(赤色の実線)は基準線(青色の実線)を超えて上昇する傾向があるように見えるからです。

今しばらくテクニカル分析の観点からは国内株式の相場全般は引き続き「晴れ」と言えそうです。

日経平均

東証マザーズ連動ETF <2516>

米国 (現地時間2020年8月17日終値)

8月17日は、S&P500指数が+0.27%とNASDAQ100連動ETF<QQQ>は+1.16%の上昇となりました。

最新のS&P500指数とNASDAQ100連動ETF<QQQ>の一目均衡表は以下の通りです。ともに確りとした雲が形成され、その上を終値(青色の点線)は上昇傾向にあります。雲が支持帯として機能する可能性が高いです。

今しばらくテクニカル分析の観点からは米国株式の相場全般も「晴れ」と言えそうです。

S&P500指数

QQQ(NASDAQ100指数連動ETF)

為替(米ドル―日本円)(2020年8月18日17時30分時点)

米国株式に投資する場合は、日本円の投資家にとって為替リスクも気になるところです。2020年8月18日17時30分時点のの米ドル―日本円の一目均衡表は以下の通りです。

転換線(赤色の実線)が基準線(青色の実線)が超えてきましたが、2020年7月半ば以降、為替相場は雲を下回っており、上にある薄い雲ですが抵抗帯としてワークする可能性があり、引き続きドル安(ドルでの投資損益の悪化)に注意が必要です。為替相場の方向性としては曇りです。

SPDRゴールド・シェア <1326>(金連動ETF)(2020年8月18日時点)

SPDRゴールド・シェアETF <1326>は8月18日は、+1.90%と確りと上昇をしました。

国債が非常に低金利となっており、金利低下余地が限定的であることが株式投資の返事としての債券投資を難しくしています。このため、債券投資の1/3の量で、金に投資することも新しいヘッジの方法としてあり得ると考えています。

ご参考までにSPDRゴールド・シェア(金連動)ETFの一目均衡表は以下の通りです。ともに確りとした雲が形成され、その上を終値(青色の点線)は上昇傾向にあります。急激な価格上昇と最近の価格下落で、不安定な状況に見えますが、本日はしっかりと上昇しました。転換線(赤色の実線)は基準線(青色の実線)をしっかりと上回っており、金相場は晴れと言えそうです。

足元の相場は、①国内株式に投資するもよし、②為替相場に気を付けつつ、米国株に投資するもよし、③金相場に投資するもよしの状況に変化はないように見えます。

新型コロナウイルス感染再拡大の懸念と、米中関係の悪化に注意を払いつつ、投資されるとよいタイミングではないでしょうか。

気になる一目均衡表から見る本日のマーケット (2020.08.17)

7+

日本(2020年8月17日終値)

日経平均と東証マザーズ連動ETF<2516>の一目均衡表は以下の通りです。ともに確りとした雲が形成され、その上を終値(青色の点線)は上昇傾向にあります。雲が支持帯として機能する可能性が高いです。

今しばらくテクニカル分析の観点からは国内株式の相場全般は「晴れ」と言えそうです。

日経平均

東証マザーズ連動ETF <2516>

米国 (2020年8月14日時点)

S&P500指数とNASDAQ100連動ETF<QQQ>の一目均衡表は以下の通りです。ともに確りとした雲が形成され、その上を終値(青色の点線)は上昇傾向にあります。雲が支持帯として機能する可能性が高いです。

今しばらくテクニカル分析の観点からは米国株式の相場全般も「晴れ」と言えそうです。

S&P500指数

QQQ(NASDAQ100指数連動ETF)

為替(米ドル―日本円)(2020年8月17日19時時点)

米国株式に投資する場合は、日本円の投資家にとって為替リスクも気になるところです。米ドル―日本円の一目均衡表は以下の通りです。

2020年7月半ば以降、為替相場は雲を下回っており、上にある薄い雲ですが抵抗帯としてワークする可能性があり、引き続きドル安(ドルでの投資損益の悪化)に注意が必要です。為替相場の方向性としては曇りです。

SPDRゴールド・シェア(金連動ETF)(2020年8月17日時点)

国債が非常に低金利となっており、金利低下余地が限定的であることが株式投資の返事としての債券投資を難しくしています。このため、債券投資の1/3の量で、金に投資することも新しいヘッジの方法としてあり得ると考えています。

ご参考までにSPDRゴールド・シェア(金連動)ETFの一目均衡表は以下の通りです。ともに確りとした雲が形成され、その上を終値(青色の点線)は上昇傾向にあります。急激な価格上昇と足元の価格下落で、不安定な状況に見えますが、転換線(赤色の実線)は基準線(青色の実線)をしっかりと上回っており、金相場は晴れと言えそうです。

足元の相場は、①国内株式に投資するもよし、②為替相場に気を付けつつ、米国株に投資するもよし、③金相場に投資するもよしの状況に見えます。

新型コロナウイルス感染再拡大の懸念と、米中関係の悪化に注意を払いつつ、投資されるとよいタイミングではないでしょうか。

気になるソニー<6758>

5+

ソニーの2020年度 第1四半期連結業績発表が8月4日にありましたが、その後の株価の推移を含めて魅力的な銘柄に見えますので、ご紹介します。

まずはファンダメンタルズですが、以下の表をご覧ください。

これを見ていただくとFY20の見通しでは、ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)セグメントと金融セグメントで、売上高ならびに営業利益の増加を見込んでいます。

ゲーム&ネットワークサービス(G&NS)セグメントについては、その概要は以下の通りです。ゲームソフトウェアの大幅な増加とPS5発売に伴うハードウェア売り上げの大幅な増加が売上高増加のドライバーとなる見通しです。

なお、「プレイステーション」の次世代コンソールゲーム機であるPS5(プレステ5)の発売日は2020年の年末商戦期と発表されています。

また、金融セクターの概要は以下の通りです。ソニー銀行における有価証券評価益の改善とソニー生命の増収が、増収増益のエンジンとなっています。

一方で、今期はイメージング&センシング・ソリューションセグメント(所謂、半導体セグメント)で減収と大幅な営業収益減を見込んでいます。モバイル機器向けのイメージセンサのプロダクトミックスの悪化やデジタルカメラ向けのイメージセンサの販売数量減少を背景とした売上高減少に加えて、研究開発費や減価償却費の増加を見込んでいます。

ただ、イメージング&センシング・ソリューションセグメントはソニーにとって戦略的に非常に重要なセグメントです。実際、ソニーの半導体事業は50年近くの歴史を有しており、長年にわたる技術の蓄積は、他社にとって模倣困難性となり、ソニーの強みになっています。

加えて、イメージセンサーは、アナログとデジタルのハイブリッド的デバイスで、今までの半導体とは設備なども異なります。また、そのアナログ技術の側面から、ソニーの強みを他社がコピーすることが難しくなっています。

今後、スマートフォン向けに急激に需要が拡大し、設備投資負担も大幅に下がるとソニーでは計画しています。AIセンサーの開発なども推し進め、ソニーグループの成長戦略の柱の1つなる重要な事業ととらえており、昨年、セグメント名称を変更し、イメージング&センシング・ソリューションとしています。

ただ、足元、スマートフォンの出荷台数について、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の悪影響から減少が予想されています。

ご参考までにIDCでは、2020年の出荷台数は前年から大きく減って、前年比11.9%減の12億台になると予想しています。

一方で、5Gがスマートフォン販売を後押しするため、2021年の状況回復に貢献するとみています。2020年5月時点の予測では、2021年の出荷台数を14億台弱、前年比約10%増とした。

イメージセンサの中でも、特に、光を電気信号に変えて映像化する半導体のCMOSセンサーは、スマホやデジタルカメラの目にあたる重要な部品ですが、ソニーのCMOSセンサーは世界シェアで50%を超えており、全社利益の2割弱を稼ぎます。

また、ソニーはこれまでに5Gを見据え、スマートフォンなどで使うCMOS(相補性金属酸化膜半導体)センサーの新工場を建設すると発表しています。それらの減価償却費用も短期的には負担となりますが、その固定費用は需要が回復した時には、ソニーの強みと相まって営業収益の著しい増加につながると予想されます。

ご参考までに一目均衡表は以下の通りです。しっかりとしたトレンドを形成し、今後が楽しみな銘柄です。

ご参考になれば幸いです。

気になる米国経済のファンダメンタルズ (2020.08.15)

6+

<家計消費>

7月の米国小売売上高が8月14日に発表されました。こちらの統計は、米国内で販売されている小売業・サービス業の売上高を集計したもので、米国の個人消費の動向を表していると言えます。

米国は個人消費がGDPの約7割を占めており、他の先進国より高い傾向にあります。この為、個人消費の動向が景気全体に与える影響も大きいため、注目度の高い指標となっています。

なお、全体に占める売上高の割合が最も大きい自動車及び同部品部門は、販売店のセールなど景気と直接の関係がない要因による月ごとのブレが大きいこともあり、自動車を除いた小売売上高でもコア部分の注目度が高くなっています。

7月の結果は、コア部分で予想(前月比)が+1.3%に対し、結果は+1.9%でした。ただ、ニュースでは、小売売上高全体を参照されることが多く、予想が(前月比)+2.1%に対し、結果は+1.2%でした。

<消費者心理>

加えて、8月14日には、米国の8月ミシガン大学消費者信頼感指数速報値も発表されました。7月72.5から低下予想に反して、72.8に上昇しました。新型コロナウイルス感染者の増加が続いている中で、週600ドルの失業給付上乗せが7月末で期限切れとなりましたが、消費者心理はおおむね安定的に推移しているようです。

<企業の生産活動と在庫>

合わせて、同時刻に発表された6月企業在庫は前月比‐1.1%と、予想通り6カ月連続のマイナスとなりました。その少し前に発表された7月 鉱工業生産も、設備稼働率もおおむね予想通りでした。

<まとめ>

以上をまとめると以下の通りです。
①個人消費は引き続きしっかり
②消費者心理も安定的
③生産や設備稼働率もおおむね予想通り
④企業の在庫は着実に減少
⑤財政政策の行方に不透明感も。

財政政策の行方が気になるところですが、米国大統領選挙の年ですので新型コロナウイルス感染再拡大の懸念に対して確りとした景気刺激策がとられると予想されます。

このため、①~⑤を勘案すると、いましばらく米国の株式投資にはおおむね良好な環境といえそうです。

ご参考になれば幸いです。

気になる国内株式の動向 (2020.08.15)

7+

国内株式の動向ですが、日経平均や東証マザーズETF<2516>の値動きをグラフにすると以下の通りです。

<日経平均株価の一目均衡表>

<東証マザーズETF (2516) の一目均衡表>

日経平均、東証マザーズ指数(のETF)ともに一目均衡表で言うところの「雲」に終値が近づいてきており、雲が支持帯として機能するかここ数日の国内株式全般の値動きは要注意です。

2020年8月11日に内閣府によって発表された景気ウォッチャー調査(2020年7月)でも、2~3か月先の景気の先行きに対する判断DIは、36.0 となり、家計動向関連、企業動向関連、雇用関連のすべてのDIが低下したことから、前月を 8.0 ポイント下回りました。

以下のグラフでも、直近の大幅なDIの低下から、景気の先行きに対する懸念が見て取れます。

一方、ご参考までに米国のテクノロジーカンパニーが多く含まれるNASDAQ100指数に連動するETF(QQQ)の一目均衡表もご紹介します。雲までの距離など様子が違うことがよく分かります。

ご参考になれば幸いです。

気になる米国マクロ経済の成長性

6+

2020年8月12日現在のS&P500の一目均衡表をは以下の通りです。

<S&P500の一目均衡表>

興味深いのは、日経平均の一目均衡表よりも方向感がはっきりと見えることです。
そして、国際経済が需要面で相当程度つながっていることを考えると、日経平均で確認するよりS&P500の一目均衡表で方向性を確認するほうが見えやすいと思います。

<日経平均の一目均衡表>

一目均衡表の見方ですが、塗りつぶされた部分を「雲」と呼び、抵抗帯として見ることができます。

一般的には、雲がローソク足よりも下にあるときには、「下雲」と呼ばれ支持線となります。また、上にあるときには「上雲」と呼ばれており抵抗線となります。雲から読み取れる情報としては、「雲が厚いと抵抗が強く、薄いと抵抗が弱くなる」というものです。

一つ目のS&P500の一目均衡表からいえることは、以下の3つで、「三役好転」といい、S&P500指数は引き続き強い「買いポイント」として捉えられます。

①転換線(赤色)が基準線(青色)の下から上へ抜けた状態で、
②雲の上でローソク足が推移している、
③遅行線(赤色の点線)が株価(青色の点線)を抜く

米国経済の成長エンジンへの投資にはテクニカル分析から引き続き魅力があると言えそうです。

一方で、ファンダメンタルズの観点では、米労働省が13日発表した8日までの週の新規失業保険申請件数(季節調整済み)は96万3000件と、前週の119万1000件から減少しました。市場予想は112万件でした。

米国で新型コロナウイルスの流行が始まってから初めて新規失業保険申請件数が100万件を割り込み、3月半ば以来の低水準となっています。労働市場の堅調な回復は、米国経済の成長性を支える材料と言えます。

以上、ご参考になれば幸いです。

気になる米国の7月消費者物価

6+

米労働省が現地時間の8月12日に発表した7月の消費者物価指数(CPI、季節調整済み)は前月比+0.6%上昇となり、市場予測の+0.3%上昇を上回る伸びになりました。このインフレ率の伸びはなんと29年半ぶりです。変動の大きい食品とエネルギーを除いたコアCPIも前月比で+0.6%上昇しました。こちらも1991年1月以降で最大です。

CPIの変化を前年比で見ると、7月(前年比)は+1.6%でした。6月の前年比が+1.2%であったことを考えると、前年比のCPIの上昇のじわじわした上昇が確認できます。

なお、FRBが物価の目安としているコア個人消費支出(PCE)価格指数は6月に前年比+0.9%上昇し、7月のものは今月発表予定です。

米国の政策金利(FF金利)は超短期の名目金利に目標レンジを設定しているのですが、前回の7月28-29日(現地時間)に開催されたFOMCにおいて、FRBは、市場の予想通り、政策金利を据え置いたほか、量的緩和政策を継続するなど、従前の金融政策を維持することを全会一致で決定しています。ドットプロットをみても、2020年~2021年の利上げはFOMCメンバーによって想定されていないようです。

したがって、今回、CPIが予想以上に大きいということになると、実質金利の低下(実質金利=名目金利ーインフレ率)につながり、金の価格の上昇、また、為替では米ドルの相対的な減価という流れになってくるのでしょうか。

ご参考までですが、金市場は、2020年8月7日に2075ドルを天井に反落し、11日から12日にかけて150ドル幅と非常に大きく調整をしました。これは、ロシア政府が新型コロナワクチンを承認したと伝えられ、欧米においてもワクチンの実用化が近いとの見方から景気回復への期待が高まり、米債券市場で10年債利回りが一時1カ月ぶりの水準に上昇し、名目金利の上昇 -> 実質金利の上昇となったためと思われます。さらに、利益確定の売りなども加わり、大きく調整されました。

政策金利は2022年まで利上げには向かわないと考えられるので、①イールドカーブのスティープ化による長期金利(名目金利)の上昇と、インフレ率の上昇のせめぎあい、もしくは、②潜在成長率の動向、が表裏一体となって金価格や米ドルの為替に影響を与えることになりそうです。

今後の展開が興味深いところです。

気になるSPDRゴールド・シェアETF(金への投資)

7+

iDeCoで金に投資できる投資対象として「ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)」があります。これは、「SPDRゴールド・シェア」への投資を行うと共に、その投資金額相当額の米ドルについて原則として為替ヘッジを行うことにより、円ヘッジベースの動向を反映する投資成果の獲得を目指すものです。

ステートストリート・ゴールドファンド(為替ヘッジあり)と、今回ご紹介するSPDRゴールド・シェアETF<1326>の違いは、前者は為替ヘッジあり(円ヘッジ)ですが、後者は為替ヘッジなし(米ドル建て)です。

今回は、東証で1326という証券コードで取引できる為替ヘッジがない「SPDRゴールド・シェア」ETFのチャートを描いてみました。

先日のご説明でもご紹介したとおり、一般的に一目均衡表では以下の3つの条件を満たした時を「三役好転」といい、強い「買いポイント」として捉えられます。

①転換線(赤色)が基準線(青色)の下から上へ抜けた状態で、
②雲の上でローソク足が推移している、
③遅行線(赤色の点線)が株価を抜く

現在のグラフを参照いただくと、①、②、③を満たしており、「SPDRゴールド・シェア」ETFは引き続き買いと読めます。

下図の通り、実質金利(名目金利 ― インフレ率:青色)が低下すると、金の価格(赤色)は上昇する傾向があります。

このため、米国の投資銀行大手のゴールドマン・サックスは2020年7月28日に、金価格の12カ月見通しを1トロイオンス=2300ドルに引き上げています。

なお、上記のグラフで描いているのは「SPDRゴールド・シェア」の円換算価格ですが、ゴールドマンサックスの予想との比較という意味では、金の現物価格は2020年8月10日現在、1トロイオンス=2029.08ドルとなっています。従いまして、今後12か月間の上昇余地はまだあるというのがゴールドマン・サックスの予想になります。

実質金利が今後どのようになっていくかについては、名目金利(債券の金利)とインフレ率の変数を予測することになります。

2020年2月以降の新型コロナウイルス感染拡大とそれに伴う3月からのロックダウンが与えた経済活動へのダメージを考えると、当面金融政策は緩和的であり、名目金利は低金利が続くと想定されます。さらに、世界的に政府は財政出動を積極的にしており、インフレという話が中長期的には出てくる可能性があり、金価格の上昇というストーリーになります。

ご参考になれば幸いです。